【20代 男性】草野球で走っていて右もも裏を肉離れ…痛みが軽減した症例【岩倉市の接骨院】
2026年09月17日
こんにちは!いわくら肩甲骨骨盤接骨院です!
今回は、草野球の試合中にベースランニングをした際、右太ももの裏に強い痛みが出た20代男性の症例をご紹介します。患者さんは週1回草野球を行い、週3回筋力トレーニングも続けていました。学生時代にもハムストリングスの肉離れを経験していましたが、その後はストレッチや継続的なケアをほとんど行わずに運動を続けていたとのことです。
肉離れは、痛みがなくなったことだけで元の筋肉の状態に戻ったとは判断できません。過去に痛めた部分の柔軟性や筋力が十分に戻らないままダッシュや切り返しを繰り返すと、再びハムストリングスへ負担が集中します。今回は、受傷時の状況から来院時の状態、約6週間の施術経過、肉離れを繰り返さないために大切なポイントまで詳しく解説します。
ケガをしたときの状況
今回の患者さんは、草野球の試合でベースランニングをしている最中に右太ももの裏へ強い痛みを感じました。ベースランニングでは、走り始めの急加速だけでなく、ベースへ向かって全力で走る動きや減速、次の塁を狙う際の再加速が続きます。そのため、ハムストリングスには短時間で大きな負荷が繰り返し加わります。さらに学生時代にも肉離れの既往があり、その後は十分なストレッチや継続的なケアを行っていませんでした。以前痛めた筋肉に硬さや柔軟性の低下が残った状態で運動を継続し、そこへベースランニングによる強い負荷が加わったことが、今回の受傷に関係したと考えました。
来院時の右脚の状態

来院時は右ハムストリングスに強い疼痛と圧痛があり、太ももの裏を伸ばす動作で特に痛みが強く出ていました。歩行時にも痛みがあり、皮下出血と可動域制限も確認しています。痛みを0から10で表す疼痛スケールではPS10/10で、患者さん自身もかなり強い痛みを感じている状態でした。
受傷状況と、圧痛、伸張時痛、皮下出血、可動域制限などを総合し、右ハムストリングスの肉離れを疑って施術を進めました。肉離れでも損傷の程度には差があります。
早めに専門家による確認を受けるようにしましょう。
ハムストリングスの肉離れ

ハムストリングスとは、太ももの裏側にある「大腿二頭筋」「半腱様筋」「半膜様筋」の3つの筋肉の総称です。これらの筋肉は骨盤から膝周辺へつながり、股関節を後ろへ伸ばす動きや膝を曲げる動きに関わります。歩行でも使いますが、特に大きな負担がかかるのがダッシュです。
全力で走っているとき、前へ振り出した脚が地面につく直前には膝が伸び、ハムストリングスも引き伸ばされます。このときハムストリングスは、伸ばされながら力を出して脚の動きを制御しています。
イメージとしては、勢いよく進んでいる自転車にブレーキをかけるような状態です。スピードが速いほどブレーキへ大きな力が加わるのと同じように、ダッシュの速度が上がるほどハムストリングスへの負担も大きくなります。
この負荷に筋線維が耐えられず、一部が損傷した状態が肉離れです。
特に今回のような野球では、急加速、全力疾走、減速、方向転換が繰り返されるため、ハムストリングスは負担を受けやすい部位になります。
肉離れを繰り返した背景
今回の症例で重要だったのが、学生時代にもハムストリングスを肉離れしていたことです。
以前の肉離れ後は痛みがなくなった段階で運動へ戻り、その後はストレッチや身体のケアをほとんど行っていませんでした。
肉離れでは「痛みがない状態」と「スポーツの負荷に耐えられる状態」を分けて考える必要があります。損傷した筋肉は修復していきますが、その後に柔軟性や筋力が十分に戻っていなければ、ダッシュした際に同じ場所やその周辺へ負担が集中します。
一度傷んだ布を縫い合わせた状態をイメージすると分かりやすく、布自体はつながっていても、一部分だけ硬くなっていれば、引っ張った際にその周囲へ力が集中します。
筋肉も同じように、過去に傷めた部分に硬さが残っていると、ハムストリングス全体が均等に伸び縮みできなくなります。
今回も、過去の肉離れ後に十分なケアを行わず、その状態で草野球や筋力トレーニングを継続していたことが、再びハムストリングスへ負担を集める一因になったと考えました。
線維化と硬結について
肉離れ後に注意したいのが、筋肉に残る硬さです。筋肉が損傷すると、身体は傷ついた組織を修復します。その過程では瘢痕組織が形成され、損傷した部分が修復されていきます。しかし、痛みがなくなっただけでリハビリを終え、柔軟性や筋力が十分に戻らないままスポーツへ復帰すると、筋肉の伸びにくさや硬さが残ります。
「線維化」とは、損傷した組織の修復に伴って組織が硬くなり、伸び縮みしにくくなった状態を指します。
「硬結」は、筋肉を触ったときに周囲と比べて硬く感じる部分です。
こうした硬さや柔軟性低下、筋力低下が残ると、走った際にハムストリングス全体で負荷を分散できず、同じ場所やその周辺へ再び負担が集中します。
そのため、肉離れは何もせず痛みが引くのを待つだけではなく、状態に合わせて可動域や柔軟性、筋力を段階的に戻していくことが重要です。
初期に行った施術
初回来院時はPS10/10で、皮下出血や強い圧痛も残っていました。
この時期に炎症が起きている患部を強く揉んだり、無理に伸ばしたりすると、損傷部へ余計な刺激が加わります。そのため初期は、右ハムストリングスに対して超音波とハイボルテージ施術を使用した物理療法を中心に行い、患部への強い手技は避けました。
炎症部位から離れた場所に確認できた筋肉の硬さについては、状態を確認しながら手技を行っています。また、筋力トレーニング、草野球、強いストレッチはいったん中止していただき、施術頻度は週3回としました。
肉離れ直後は「早く柔らかくした方がいい」と考えて強くストレッチをする方もいますが、損傷したばかりの筋肉を無理に伸ばすことは適切ではありません。急性期は状態を確認しながら負荷を減らし、その後の経過に合わせて少しずつ動かす範囲を広げていきます。
6週間までの施術経過
1週間後
1週間後はPS7/10まで低下しました。初回来院時と比較すると痛みは減っていましたが、圧痛と動作時痛がまだ残っていたため、超音波とハイボルテージ施術を継続しました。この時点では草野球や筋力トレーニングへの復帰は行わず、週3回の施術を続けています。
2週間後
2週間後にはPS5/10となり、圧痛も減少していました。ただし痛みはまだ残っていたため、超音波とハイボルテージ施術を継続しながら、状態を確認したうえで軽いストレッチを開始しました。施術頻度は週3回から週2回へ変更しています。
肉離れ後のストレッチは、強く伸ばすことが目的ではありません。圧痛や可動域を確認しながら、筋肉が伸びる動きへ少しずつ慣らしていきます。
4週間後
4週間後にはPS3~4/10となりました。圧痛はかなり減少していましたが、一部に残っていたため、超音波とハイボルテージ施術を継続しながら手技とストレッチを行いました。この時期からは、痛めた部分だけではなく、ハムストリングス全体の硬さや股関節の動きも確認しながら施術を進めています。
6週間後
6週間後にはPS1~2/10となり、圧痛も確認されなくなりました。そのため、超音波とハイボルテージ施術はいったん終了し、ストレッチと手技を中心としたケアへ移行しました。現在も草野球を続けるため、再発予防を目的として週1回のケアを継続しています。
今回の6週間という経過は、この患者さんの場合です。肉離れは損傷した場所や範囲によって経過が異なるため、日数だけでスポーツ復帰を判断することはできません。
患部以外も確認する理由

肉離れでは、実際に痛みが出ている場所だけをケアすればよいわけではありません。
ハムストリングスは骨盤から膝までつながっており、走るときには股関節の動きや大殿筋の働きとも連動しています。
大殿筋は、お尻にある大きな筋肉で、脚を後ろへ蹴り出す「股関節伸展」を担当します。大殿筋とハムストリングスはダッシュの際に一緒に働くため、股関節が十分に動かない状態や大殿筋がうまく使えていない状態では、ハムストリングスに負担が集中します。また、同じハムストリングスの中でも一部分だけが硬くなれば、走ったときに周囲の筋線維へ負荷が偏ります。
そのため当院では、炎症が起きた場所だけを見るのではなく、ハムストリングス全体の硬さや股関節の動き、大殿筋との連動も確認します。「どこを痛めたのか」だけではなく、「なぜそこへ負担が集中したのか」を確認することが再発予防では大切です。
運動を続ける人の身体ケア
今回の患者さんは週3回筋力トレーニングを行っていました。筋力トレーニングはスポーツを続けるうえで重要ですが、筋力が強ければ肉離れを防げるわけではありません。全力疾走では、筋力だけではなくハムストリングスの柔軟性、股関節の可動域、瞬間的に力を出す能力なども必要になります。
また、週末に草野球をする社会人の場合、平日は長時間座って仕事をしていて、週末だけ急に全力疾走するというケースもあります。学生時代と同じ感覚で走っていても、現在の身体の柔軟性や疲労状態まで当時と同じとは限りません。
スポーツをする方にとって大切なのは、ケガをした後だけ身体をケアすることではありません。むしろ、ケガをしていない時にどれだけ身体の状態を確認できるかが重要です。特に過去に肉離れを経験している方は、痛みがなくてもハムストリングスの左右差や硬さ、股関節の可動域などを確認し、運動前後のストレッチや身体のケアを継続することが再発予防につながります。
肉離れのよくある質問
Q. 肉離れは何週間かかる?
A.肉離れは損傷した場所や範囲、皮下出血の程度、圧痛、筋力低下などによって経過が異なります。今回の患者さんは6週間でPS1~2/10となりましたが、すべての肉離れが6週間で同じ状態になるわけではありません。スポーツへの復帰は日数だけではなく、痛み、圧痛、可動域、筋力、実際の競技動作を確認しながら判断することが大切です。
Q. 痛みがなければ運動できる?
A.日常生活で痛みがなくなったことだけでは、全力疾走へ戻れる状態とは判断できません。歩行でハムストリングスに加わる負荷と、野球のベースランニングで加わる負荷には大きな差があります。軽い運動から徐々に負荷を上げ、ダッシュや切り返しまで段階的に戻していく必要があります。
Q. 一度肉離れすると再発する?
A.過去に肉離れした筋肉に柔軟性低下や筋力低下が残っていると、再び同じ部分やその周囲へ負担が集中する要因になります。特に、痛みがなくなった直後に以前と同じ運動量へ戻すのではなく、ストレッチや筋力、股関節の動きを確認しながら段階的に競技へ戻ることが重要です。
今回の症例と再発予防のまとめ
今回の患者さんは、学生時代にもハムストリングスの肉離れを経験していましたが、その後は十分なストレッチやケアを行わないまま草野球と筋力トレーニングを続けていました。今回はベースランニング中に右ハムストリングスを再び痛め、初期の強い痛みから状態を確認しながら段階的に施術を進め、6週間後には圧痛も確認されなくなりました。
現在は草野球を続けるため、再発予防を目的としたケアを継続しています。肉離れは、痛みがなくなったところで終わりではありません。筋肉の硬さや柔軟性、筋力が十分に戻っていない状態で運動を再開すると、同じ部分へ再び負担が集中します。
過去に肉離れを経験している方や、走ったときに太ももの裏へ張りや痛みを感じる方は、そのまま運動を続けず、一度身体の状態を確認しておくことが大切です。草野球やランニング、筋力トレーニングを続けながら再発を防ぎたい方は、お気軽にご相談ください!
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